神宮外苑再開発計画の見直しを!
神宮外苑再開発の今回の事業計画の変更について、都知事が事業者に対し環境影響評価手続の再実施を求めることを要請する申出を行います。
神宮外苑再開発について、 10月21日開催の東京都環境影響評価審議会第7回総会において、変更届と事後調査報告書(その2)の報告が行われました。この事業計画の変更は、明らかに、環境に著しい影響を及ぼすおそれのあるものですから、都知事は、環境影響評価条例63条に基づき、事業者に既に完了している手続の全部又は一部を再度実施することを求める義務があります。しかしながら、都は今回の変更届はラグビー場の設計変更についてのものであり、この設計の変更は、当初案を全ての面で改善するものであるから「環境に著しい影響を及ぼすおそれのあるもの」とは認められず、したがって環境影響評価手続の再実施を求めることはしないと議会などで答弁しています。これは、以下に述べたとおり誤った判断であり、行政の違法な不作為にあたるものです。したがって、私たちは、東京都行政手続条例63条に基づき、都知事に環境影響評価条例63条の執行を求める申出を行う運動を、ここに開始することを宣言いたします。
1.今回の事業計画の変更について環境アセスメント手続の再実施を行う必要性について:
神宮外苑再開発の件ですが、10月21日開催の東京都環境影響評価審議会第7回総会における、事業者提出の「変更届」および「事後調査報告書」の審議は単なる報告の聴取と質疑応答に終始し、変更された事業計画が神宮外苑の環境(特に綠や生態系)を十分に保全するものであるかどうかの評価および審査は全く行われず、単に報告の説明を受けたという体のものでした。
本来、こうした重要な事業計画の変更が届出があった場合、知事は、東京都環境影響評価条例63条に基づき、(当該変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、審議会の意見を聴いた上で、)当該事業者に対し、既に完了している手続の全部又は一部を再度実施するよう求めることが義務づけられています。
ところが、都知事は(というより、担当部局の職員は)、今回の変更届はラグビー場の設計変更に関するものであり、今回の設計変更は、当初案と比べて環境に対する影響が改善されているので「環境に著しい影響を及ぼすおそれがある」とは認められず、したがって手続の再実施は求めない、とうそぶいていますが、これは(以下に詳述するような理由で)違法な、行政の不作為といえます。
2.違法な行政の不作為については、誰でも、その是正を求める申出を行うことができます:
こうした違法な行政の不作為に対しては、行政手続法または行政手続条例に基づき、誰でも(何人も)行政に当該処分または行政指導を求めることができることになっています(東京都行政手続条例の場合は第36条)。しかも、費用は郵送料しかかかりません。
3.今回の事業計画の変更が「環境に著しい影響を及ぼすおそれがある」ものであると認められる理由:
今回の「変更届」に記載された内容は、新ラグビー場棟の設計変更や新ラグビー場敷地内の緑化計画の変更です。確かに、この新ラグビー場棟の設計変更によって、建国記念文庫の杜の保全されるべき部分に対する日影の影響や、伐採される樹木の本数が、環境影響評価書に示された当初案に比べると、わずかに減少していることは認められますが、そもそも、新ラグビー場の当初の設計案は、建国記念文庫の樹木の保全に関し不適切なものであることを事業者も認めており、したがって環境影響評価書においては、環境影響評価書が受理された後に建築設計や緑化計画を改善することを明記し、また、都としても、その改善案が示されるまでは樹木の伐採を中止することを要請していたものです。そのように、都も事業者も不適切であると認めていた新ラグビー場の設計の改善案が、今回の変更届で初めて示されたのですから、今回示された設計案が、建国記念文庫の樹木の保全に関し、必要にして十分な改善がなされたものなのか、その改善の程度を評価することが、(意見書の提出や公聴会(都民の意見を聴く会)など市民参加の手続を含む、)正規の環境影響評価の手続として行われる必要があります。
また、今回の変更届には新ラグビー場敷地の緑化計画の変更にともなう移植計画の変更は明示されていませんが、同審議会において変更届と併せて報告された「事後調査報告書その2」では、建国記念文庫の杜から移植する樹木の移植計画を変更し、従来は「階層構造を有するまとまりのある植物群落を復元する計画」であったものを、樹木を個別バラバラに、あちこちに分散移植する計画にするとしています。この移植計画の変更は、当初予定していた建国記念文庫の杜の南半分の生態系の移植による保全(復元)の計画を取りやめるという、明らかに「環境に著しい影響を及ぼすおそれがある」変更ですから、この事業計画変更については、都知事は、東京都環境影響評価条例第63条に基づき、事業者に対し環境影響評価手続の再度の実施を求める義務があるわけです。
4.声を上げよう:申出書を皆でどんどん送りましょう:
そこで、東京都行政手続条例36条に基づき、神宮外苑再開発事業の今回の事業計画の変更案に関し環境影響評価手続の再度の実施(特に、意見書の提出や公聴会(都民の意見を聴く会)の開催)を求める申出書を、皆で都知事に書き送る運動を起こすことにいたしました。
そこで、
【都知事が環境影響評価条例36条に基づき事業者に環境アセス手続の再実施を求めることを要請する申出書の雛形ver.2】
を、以下からダウンロードできるようにいたしました。
これをダウンロードして、プリントして、住所氏名を書き込んで、封書にして宛名を書いて、110円切手を貼って投函するだけで良いので実に簡単です。
また、同じ文書のwordのdocxファイルも以下からダウンロードできます。これを元に、オリジナルな文章の申出書を送ることも大歓迎です。
なお、都には、この申出を行った者に対する個別直接の回答を行う法的義務はありませんが、行政手続法事務取扱ガイドラインでは、「行った調査の結果、講じた措置の有無やその内容など、申出を受けた対応の結果について、申出人に通知するよう努めるべきである。」としているので、都の条例の場合も同様の取り扱いになるものと思われます。
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【参考条文】
■東京都環境影響評価条例
(事業内容の変更による手続の再実施)
第63条
知事は、前条第一項の規定による変更の届出があつた対象事業について、当該変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、審議会の意見を聴いた上で、当該事業者に対し、既に完了している手続の全部又は一部を再度実施するよう求めるものとする。
■東京都行政手続条例
(処分等の求め)
第36条 何人も、法令又は条例等に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分(その根拠となる規定が条例等に置かれているものに限る。)又は行政指導(その根拠となる規定が法律又は条例に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する都の機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 法令又は条例等に違反する事実の内容
三 当該処分又は行政指導の内容
四 当該処分又は行政指導の根拠となる法律又は条例等の条項
五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
六 その他参考となる事項
3 当該行政庁又は都の機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。
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【補足】なお、10月21日開催の東京都環境影響評価審議会では、この件の最後の会長総括において、「今回の報告では、ラグビー場棟などの計画の見直し、…保存樹木の増加・伐採樹木の減少、野球場棟のセットバック方針を示すなど、…の報告がございました。」とまとめられており、報告された事業計画の変更は、新ラグビー場の設計変更だけではないことが示されています。
また、同会長総括において、会長は「委員から、(今回の変更が)環境に著しい影響を及ぼすのではないかといった特段の意見はございませんでしたが、…」述べていますが、逆に、審議会においては、「(今回の変更が)環境に著しい影響を及ぼすおそれがない」とする意見もなかったわけです。実際のところ、審議会においては、建国記念文庫の杜の樹木や生態系の劣化、移植先の環境の変化(劣化)について懸念する質問・助言・意見が提出されており、これらの発言がなされたということは、(今回の変更が)環境に著しい影響を及ぼすおそれがない、とはいえないことを示すものです。したがって、都知事は、東京都環境影響評価条例63条に基づき、再度、審議会の意見を聴いた上で、当該事業者に対し、既に完了している手続の全部又は一部を再度実施するよう求める必要があるわけです。
外苑に関連して出されるご意見等、有難く拝見させていただいております。今回のアセス再実施のご提案に賛意を表します。早速送付したいと思います。
返信削除ありがとうございます。土俵際です。
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